中庸なる日々。

5 中庸

結局、青くんの思考回路は満腹には勝てず、空回りしたまま失速し、墜落。

桃さんが、お鍋の後片付けをしている間に、青くんは夢の世界へ片足だけお邪魔。

「ホントに青くんって、お腹いっぱいになると眠くなるよねぇ」

洗い物を終えた桃さんは、子犬のように眠る青くんを見てこう言うのだ。



「で、お米の話は?」



イマイチ腑に落ちない桃さんだけど、青くんの気持ち良さそうな寝顔を見てると、どうでもよくなった。


こんな毎日が本当の幸せなんだろう、、


『中庸で充分じゃない』
 

この時に桃さんは、「この人と結婚するかもしれない」と予感したのである。

え?夫婦じゃないのって?
それとお鍋の蓋はどこ行ったって?

最初に言ったでしょ?『キムチ鍋』って。

土鍋だと匂いが取れないから、キムチ鍋は金属の鍋で調理するのがセオリー。

つまり「最初から蓋は使わなかった」って事です。

じゃ最初に言えよ!とおっしゃるかも知れませんが、それを言うと身も蓋も無い。

お鍋も全部食べたし、蓋は無いんですよ。

どうです?今晩あたりキムチ鍋を食べませんか?
青くんと桃さんの気分で。


~おしまい~



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