エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

和宏にもう一度お礼を言われて、完全に涙腺が崩壊した。


「和宏が私をお母さんにしてくれたんだよ。こちらこそありがとう」


隣の和宏を抱きしめて言葉を紡ぐ。

決して順風満帆でも、楽しいことばかりでもなかった。
でも、和宏に出会えて本当に幸せだ。


「ママ、どうして泣いてるの?」

「ママはね、うれしくて泣いてるんだぞ。和宏くんが優しい子に育ってるから」


泣きすぎてうまく話せない私の代わりに、宏希さんが答えてくれた。


「ママ、大好き!」


一番欲しい言葉をかけられ、しかも小さな手でギュッと抱きしめられて、温かな気持ちで包まれる。

それから宏希さんが部屋を出ていったと思ったら、すぐに戻ってきた。


「波多野さん、これは俺から。お母さん、お疲れさま」


真っ赤なリボンがかけられた大きな花束を見て、止まりそうだった涙が再びあふれてくる。

こんなのずるい。
どうしたって感動するでしょ?
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