エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

「ありがとう、ございます」


和宏を妊娠してから今日までの大変だったことが、すべて幸福に置き換えられた気さえする。

小さくうなずく彼は、優しい眼差しを私に注ぎ頬を伝う涙をそっと拭ってくれた。


それから、幸福で満たされた気分のまま食事を楽しんだ。

和宏には肉汁あふれるハンバーグが出てきて、彼はおそらく価値もわからないままパクパクと口に運ぶ。

私たちのメインは、柔らかい鴨肉。
こんな上品な食事はいつ以来だろう。


「すごくおいしいです」


もっとうまい言葉でこの感激を伝えたいのに、それしか出てこない。


「気に入ってもらえてよかったよ。夜のほうがいいかなと思ったけど、和宏くんが眠くなるだろうし」


そこまで考えてくれたんだ。本当に優しい。


「ありがとうございます。マンションに住まわせていただいているだけでありがたいのに、こんな……」

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