エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
フルジェンテを出た頃には、お腹も心も満たされて足取りも軽い。
駐車場までの数メートル。
和宏は右手で私の手を握ったかと思うと、左手で宏希さんの手も握る。
これでは、完全に親子だ。
宏希さんは迷惑じゃないだろうか心配になりそっと視線を向けると、彼の頬が緩んでいてホッとした。
本当の親子として生きていけたら最高なのに。
ふとそんな考えがよぎったけれど、こうしてそばにいられることが奇跡なのだ。
これ以上を望んではいけない。
私は自分に言い聞かせて、暴走しそうになる宏希さんへの気持ちを抑えた。