エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
思い出のデートをなぞって

宏希さんの家で住み込みの家政婦をするようになってから、あっという間に一カ月。

梅雨入りしてじめじめした気候にも関わらず、和宏は毎日元気いっぱい。
新しい幼稚園にもなじめたようだ。


和宏は宏希さんと一緒に暮らすようになってから笑顔が増えたように思う。

彼にしてみれば、よく知らないおじさんとの同居だったもののすんなり馴染んでいるのは、宏希さんが優しいからなのか、本当は血がつながっているからなのか。


私は仕事でここにいるのだからと、家事をするとき以外は借りている部屋で過ごそうと思っていたが、和宏が宏希さんと一緒にいたがりそうもいかない。

リビングのソファで隣に座ってテレビアニメを見たりしているので「浅海さんは疲れてるんだからこっちの部屋で見なさい」と自分たちの部屋に誘導しても、宏希さんが「なかなか面白いぞ、これ」なんて甘やかす。


今までひとり暮らしだった宏希さんは完全に生活のペースが乱れているはずなのに、一切文句をこぼさなかった。
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