エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
しかし、雨がしとしとと降り続く蒸し暑いある日。
和宏は幼稚園から戻ると、なぜかベッドの布団の中にもぐり込んで出てこない。
体調が悪い?と心配して体に触れてみたものの、特に熱はないようだ。
「お腹痛いの? 頭?」
「どこも痛くない」
幼稚園でなにかあった?
「お友達とケンカした?」
「……ううん」
一瞬の間はなんだろう。
やはりケンカだろうか。
どこもケガはなさそうだけど、もしかしてケガをさせたほう?
保育園ではそういうことはなかったが、心配になる。
しかしそんなことがあれば先生から報告があるはずだが、迎えに行ってもなにも言われなかったし。
和宏が話そうとしないので仕方なくそのままにして、リビングの掃除を三十分ほどしたあともう一度のぞくと、眠っていた。
「疲れたのかな……」
新しい生活は順調のように見えるものの、戸惑いもあるだろうし、もしかしたら気を使っているのかもしれない。
幼稚園でなのか、家でなのか、はたまたその両方か。