エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
宏希さんの申し出がありがたくて同居して家政婦に収まっているが、これでよかったのだろうか。
けれど……以前のような生活を続けてまた倒れたら、それはそれで後悔しただろうし。
人生って難しい。
洗濯ものを畳み終え和宏の寝顔を見ていると、私までうたた寝してしまった。
「いけない……」
ふと目が覚めると十八時近い。
和宏は余程疲れているのか起きる気配もない。
私は慌ててリビングに行き、夕食を作り始めた。
今日は宏希さんのリクエストで、ビーフシチュー。
リクエストといっても、彼は和宏の好きなものしか要求しない。
しかし、和宏にあわせてとは絶対に口にせず『俺が食べたくて』と言う。
圧力鍋でお肉を柔らかく煮込んでいる間に、ベーコンとアスパラガスのサラダもこしらえる。
和宏はアスパラが苦手だが、宏希さんが好きなのだ。
不貞腐れる和宏の顔が思い浮かぶので、他にじゃがいもと鶏肉のアヒージョも作る予定。