エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
本当は〝また宏希さんとデートできたのがうれしくて〟だったが、さすがに言えない。
「そうだよね。仕事と違って子育てに休みはないからね。世のお母さんたちってすごいな」
「子供の笑顔が見られるのがなによりもうれしいですから」
私が言うと彼はうなずいている。
「その気持ちすごくよくわかる。和宏くんが声をあげて笑ってると元気をもらえるんだ」
「でも、うるさいですよね?」
「いいんだよ。俺たちだって、きっと子供の頃はそうだったんだし」
目尻を下げて微笑む彼の姿は、私の心を穏やかにする。
「そうですね」
「このままふたりでお迎えに行こう」
「はい。うれしくてはしゃぎますよ、きっと」
和宏は宏希さんが大好きだから。
名残惜しかったけれど、レストランをあとにして幼稚園に向かった。