エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
そんな私たち三人の生活はかなりうまくいっている。
宏希さんの生活をかき回して申し訳ないと思い、借りている部屋で遊ぶように和宏に何度諭しても、宏希さんのことが大好きな彼はいつも話しかけにすっ飛んでいく。
けれど、宏希さんはどんなときも笑顔で相槌を打ち、迷惑そうな顔をしたことすらない。
和宏を幼稚園に送ったあと、掃除をしているとスマホが鳴り出した。
宏希さんからだ。
こんな時間にどうしたんだろう。
『もしもし。波多野さん、俺の寝室のデスクの上に封筒が置いてないか見てくれないかな?』
どうやら書類が見当たらないらしく、電話をよこしたようだ。
早速彼の寝室に行ったが、デスクにはない。
「あっ……。水色の封筒ですか?」
『それ!』
デスクと壁の隙間に落ちていたので気づかずに出社してしまったのだろう。
『午後からの会議に必要なんだ。申し訳ないけど、届けてもらうわけにはいかないかな?』
「構いません。どちらにお持ちすれば?」
『十二時くらいに正面玄関でいい? 沖も誘って昼飯を食おう』