エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

そんなたいそうなことを考えて和宏を育てているつもりはない。


「あぁ。まだ小さい和宏くんの話でも適当に流したりしない。絶対に嘘をつかないよね」

「それは……そうですけど」


どんなに小さなことでも、嘘をつかないことだけは心がけている。

父親がおらず、他に相談できる人がいないのだから、私を信じられなくなったら不安でいっぱいになると思ったからだ。


「忙しいときに、『あとで遊んであげる』なんてその場しのぎの嘘をつくことも多いのに、波多野さんはそうじゃない。そう言ったなら必ず約束を守る。波多野さんが絶対に欲求を満たしてくれるとわかっているから、和宏くんも駄々をこねたりしない」


和宏は髪を振り乱して働く私に気を使って、わがままを言わないのだとばかり思っていたけれど、違うの?


「再会した頃、俺がうっかりサッカーチームに入ればいいと漏らしたことがあったよね」

「はい」


そういえば公園でそんな話をしたような。
< 190 / 314 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop