エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
大事なのは、私より和宏の気持ち。
それに……彼の両親の反対という高いハードルがある。
「ごめん。俺、また暴走してる。忍や和宏くんの気持ちのほうが重要だと頭ではわかってるんだけど、忍を前にすると冷静になれなくて」
彼は大きなため息とともにそう吐き出したかと思うと、不意に私の腕を引いて抱きしめた。
「返事はしなくても構わない。ただ俺の気持ちは伝えたかった。少しだけ、こうしていてくれないか?」
「……はい」
何度も何度もこうやって抱きしめられて、その度に幸せを感じてきた。
一度はもうあきらめた恋がまた花咲きそうなのを知り、どうしたって胸が高鳴る。
でも、自分の気持ちひとつで動くわけにはいかない。
以前付き合っていた頃とはまた状況が違うのだ。