エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

沖さんが手際よく話を進め、宏希さんが重要な提案をする。

ふたりは昔から営業力や分析力を高く評価されていたが、それに磨きがかかっていて、レーブダッシュの未来は明るいと感じた。


会議が終わり、営業統括部に戻る。

取締役の会議にも顔を出さなければならない宏希さんが去っていったあと、以前一緒に働いていた営業の人たちが私の周りに集まった。


「復帰するって聞いて待ち遠しかったよ」

「波多野さんがいなくなってから、修羅場だったんだよ。波多野さんが涼しい顔してこなしてた仕事がこんなに大変だとは知らなかった。本当にありがとう」

「いえ、とんでもないです」


まさか、これほど温かく迎え入れてもらえるとは。
緊張していたものの、ホッとして力が抜けた。


沖さんが、「波多野がかわいいからって群がりすぎ」なんて冗談を言いながら皆を蹴散らせて、私に書類を差し出してくる。

それにしても、かわいいって……。
冗談だとわかっていても照れくさい。
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