エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

「波多野、早速だけどここに上げた選手のデータ、ピックアップしてもらえるかな」

「はい。卓球選手ですか……」

「うん。うちが弱い分野にも目を向けようってことで、新しいラケットを開発中なんだ」

「わかりました」


どの競技の選手であっても、私がやるべきことは同じ。

戦績をはじめとして、どんな用具を好んで使っているのか、時には好きな食べ物まで調べられることは調べ尽くす。

そのデータをどう使うかは営業の担当者次第だ。


「これだけで指示が通るのは助かるな、ホント」
「ありがとうございます」


優秀な沖さんに褒められるのはくすぐったい。

短い時間の勤務でも、集中してできるだけ期待に応えようと気合を入れた。



私の仕事はデータ収集だけでなく、経費の精算や電話の取次ぎなど多岐にわたる。

しかし、ずっと携わっていた仕事なので問題なくこなすことができて安堵した。


「波多野、そろそろ上がっていいぞ」
「はい」
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