エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
〝あの選手が使っているシューズを自分も使いたい〟と思ってもらえるような選手でなければならない。
そのため、今回は二番手の選手と接触することに決まった。
記録以外にもそうしたことを調べ尽くすのが私の仕事になっている。
相変わらず佐藤さんが鋭い視線でにらんでいるので緊張したが、今度は私のほうから歩み寄り書類を受け取った。
すると、宏希さんのデスクの上に、お見合い写真のようなものが置かれていることに気がついた。
表紙が閉じられているので、はっきりそうかどうかはわからないが、立派な台紙だったのと、佐藤さんがここにいることでなんとなくピンときた。
お父さまから、見合い話を持ち込まれているのだと。
「悪いけど、坂田のフォローも頼める? 時々突っ走るから冷静にうしろから糸を引く人間が必要なんだ。沖がやってはいるけど、アイツにはまた新しい仕事を頼みたくて」
「私でいいんですか?」