エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
止まらなくなった涙をぬぐい続けていると、和宏がそれに気づいて飛んでくる。
「ママ、浅海さんがパパだと嫌なの?」
「違うよ。これはうれしい涙なの。ありがとう、和宏」
私はたまらず和宏を抱き寄せた。
すると宏希さんもやってきて、私たちふたりを一緒に抱きしめてくれる。
ここまで随分遠回りをしてしまった。
しかし、しかるべき場所にすべてが収まったような結末に、神さまに感謝せずにはいられない。
それから、新しい靴を履きたがる和宏に付き合って、もう一度公園に繰り出すことになった。
今度は私も一緒だ。
「ねぇねぇ、これかっこいい?」
「かっこいいよ」
公園に向かう道中で、何度も靴を自慢する和宏がかわいくてたまらない。
「おそろい買おうかな」
宏希さんがボソッと漏らすと、和宏が白い歯を見せる。
「ママも」
「えーっ、ママはちょっと……」
さすがに真っ赤なサッカーシューズはねぇ……。