エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
そうは言っても、これほど情熱的に愛されては、我慢の限界というものがある。
「俺……忍のいいところ、全部、覚えてる」
情欲を纏った声で恥ずかしいセリフを吐いた彼は、意外にも真剣な顔をしていた。
「ずっと、こうしたかった」
私の頬に優しく触れた彼は、深いキスを落としてゆっくり入ってきた。
「はぁっ」
私が声をこらえきれないことをわかっているのか、彼は唇をつなげたまま激しく腰を打ち付けてくる。
甘い叫びは、すべて彼の唇が吸い取っていった。
ふたりで絶頂に駆け上ったあと、広い胸に包まれて激しく打つ彼の拍動に耳を傾けていると、じわじわ幸せがこみ上げてくる。
「俺、もしかしたら全部は思い出せないかもしれない。でも、もう一度全部やり直してもいいかな?」
「もちろんです。宏希さん……捜してくれてありがとうございます」
彼が記憶にないはずの私を捜し求めてくれなければ、こんな幸福はなかった。