エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

そして、結婚させてほしいと申し入れた。

でも、妊娠を告白したとき彼の名前を出さなかったので、別の男(ひと)との子を身ごもったと思われていたかもしれない。


「その子は……」
「私たちの子です。和宏と言います」


母の質問に私が答えると、あんぐり口を開けて呆然としているが当然だ。


「と、とにかく、入って……」


腰を抜かさんばかりの様子で私たちをリビングに通してくれた母は、「お父さん!」と興奮気味に父を呼んだ。


「忍……。どういうことだ?」


すぐにリビングに顔を出した父も、宏希さんと和宏を見つめて、眼球が落ちそうなほど目を見開き固まっている。

すると、宏希さんがソファから下りて正座をし、深く頭を下げた。


「突然申し訳ございません。さぞ驚かれたことと思いますが、聞いていただきたいことがございましてお邪魔させていただきました」


それから宏希さんは、私と和宏に別室で待つように伝えた。

和宏には聞かせる必要のない話があるからだ。
< 281 / 314 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop