エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「自分も親になってみて、どれだけ親不孝をしたかはわかっています。でも、和宏が大切だったの。ごめんなさい」
必死に謝罪を繰り返す。
ちっとも姿を見せない私のことで、父や母がどれだけ気を揉んだか理解しているつもり。
時折、無事を知らせる手紙を送っていたのは、ほんの少しでも安心させたかったからだ。
しばらく沈黙が続き重い空気が流れたが、母が突然立ち上がり、宏希さんに抱きついたままの和宏に歩み寄る。
「和宏くん、初めまして。おばあちゃんよ。クリスマス、過ぎちゃったわね。おばあちゃんからもプレゼントをあげないとね」
「お母さん……」
和宏はキョトンとして母をじっと観察している。
「お父さん。こんなにかわいい孫に会えたんだから、もうなにもかも水に流しましょうよ。浅海さんも仕方がない事情があったんですし、なにより忍の命の恩人じゃありませんか」
母は口元を緩めて穏やかな表情をしている。