エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

「うわぁ! 広いね、パパ!」


挙式の日をきっかけに、すっかり『パパ』がなじんできた和宏は、広いピッチに大興奮。


「そうだろ? あの中を選手が走り回るんだ。和宏もいつかここに立てるといいな」


和宏の夢はJリーガー。
最近、サッカーチームに入部して、毎日泥だらけになっている。

試合は一進一退の大接戦。

しかしラスト三分で応援していたチームが追加点を入れ、大歓声が巻き起こり観客が総立ちとなる。

もちろん、私たちの間に挟まって観戦していた和宏も身を乗り出して拍手喝采。

私と宏希さんはその姿に顔を見あわせ、微笑みあう。
そして……不意に腕を強く引かれたかと思うと、唇が重なった。


ちょっと……こんなところで!

慌てて和宏を見たが、彼は選手たちに釘づけでまったく気づいていない。

抗議の意味で宏希さんに強い視線を送ると、彼は悪びれもせず口の前に人差し指を立てて笑いを噛み殺している。
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