エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

付き合い始めると、世界が変わった。
毎日が充実しているのだ。


どれだけ仕事で飛び回っていても、宏希さんは常に私を気遣いマメに連絡をくれた。

休みの日は一緒に旅行に行くこともあったし、彼のマンションでゆっくり過ごすこともあったが、楽しくない時間なんて一秒たりともなかった。


そして……付き合い始めて一年半ほど経った、私の誕生日の九月二十二日。
プロポーズされて、どれだけうれしかったか。

若くして営業統括部をけん引するような力を持っていてカリスマ性すらあり、将来は社長のイスに座るであろう宏希さんの妻が自分では不足なのではと不安はあった。

けれども、「忍が好きなんだ。一生そばにいてほしい」というストレートな言葉に、うなずく以外の返事なんてなかった。

しかし、問題はそれから。
宏希さんが両親に結婚したい女性がいると話したところ、いきなり大反対されたのだ。

どうやら彼には良家のお嬢さんとの見合い話が用意されていて、ごく一般家庭で育った一介の事務員との結婚が気に入らなかったらしい。
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