エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

「家政婦の仕事に興味はない?」
「家政婦?」


唐突すぎる質問に首を傾げる。


「今のスポーツ用品店以上の給料は保証する。住み込みで家賃もいらないし、和宏くんと一緒で構わない」


和宏と一緒?


「そんな仕事、あるんですか?」


ずっと和宏に寂しい思いをさせていると胸を痛めていた私は、食いついてしまった。


「うん。俺のマンション」
「浅海さんの?」
「そう。一緒に住んでいたんだよね。だから勝手もわかるだろ?」


あのマンションにまだ住んでいるの? 
売ったんじゃなかったの?


「実は……まだ波多野さんの荷物がたくさん残ってるんだ」

「捨てなかったんですか?」

「あぁ。正確には捨てられなかった。波多野さんのものを見ていると、なんというか……たまらない気持ちになる。うまく言えないけど、ホッとするというか胸がいっぱいになるというか。たくさんの感情が流れ込んでくる」


驚きばかりで拍動が速まりっぱなしだ。
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