エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「家事全般をお願いできれば、あとはどう過ごしてもらってもいい。和宏くんと遊びに出かけてもいいし、もちろん、マンションから幼稚園に通わせても」
こんないい条件、他には絶対にない。
飛びつきたいところだけど、やっぱり無理だ。
近くにいたら、愛が欲しくなってしまう。
自分にこれほど未練が残っていたなんて驚きだった。
「これは仕事の依頼だ」
落ち着き払った声で言われ、涙の跡を頬に残した和宏を見つめる。
彼の提案にのれたらどれだけいいか。
もう和宏をこんなふうに泣かさずに済む。
でも、宏希さんの近くにいたら、きっと苦しくなる。
「そうしてくれないか? 今日はたまたま俺がいたからいいようなものの、また同じようなことがあったらどうする?」
「それは……」
たしかに和宏ひとりでは助けを呼ぶこともできないし、余計な不安を与えてしまうだろう。
「仕事だと割り切ってくれていい」
きっぱりと言う彼は、困った顔をする。