エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
胸に熱いものがこみ上げてきて、目尻から涙がこぼれていく。
すると彼はそれを指で拭った。
「波多野さんも和宏くんも頑張ってきたんだ。昔の同僚としてでいい。俺にも少し手伝わせてくれないか?」
同僚が私たちを救うなんておかしい。
でも、彼の申し出が温かくて、ありがたくて……私はうなずいた。
まさかこんな日がやってくるなんて。
胸がいっぱいになり流れ出る涙を拭っていると、和宏がパチッと目を覚ました。
「ママ!」
「和宏。心配かけてごめんね」
ギューッと抱きついてくる和宏は、口をへの字にして泣きそうな顔をしている。
「ママ、死んじゃ嫌!」
「大丈夫。和宏と一緒に生きるんだから、死んだりしないよ」
私は彼を強く抱きしめて言った。
「和宏くん、ママはもう大丈夫。俺の家に来て一緒に暮らさない?」
「浅海さんの?」