リペイントオレンジ🍊
「だれ?俺の知ってるやつ?……名前は?何歳!?」
「え!?そ、それは……秘密!」
「本当はいないんだろ?見栄を張るのはよくないぞ!」
「と、歳は……えっと、」
「31歳」
質問攻めにあった挙句、見栄を張るなと指摘され、慌てふためく私に、隣から榊先生の冷静な声が聞こえた。
「そう!31歳……!」
助け舟を出すタイミングの良さに感動しつつ、そのまま合わせて口にするけれど。
……なんで31歳?と、冷静になってからふと疑問に思う。
「……なんでさっきから、榊先生が知ってんの?みおに彼氏がいることとか、彼氏が何歳かとか……」
「さぁ?なんでだろうね?」
ニコニコと笑う榊先生に、蒼介くんは分かりやすくムッとしている。
あぁ、いらぬことに榊先生を巻き込んでしまったな。
「……ちなみにだけど。榊先生、何歳?」
「お?鋭いな、蒼介。先生、31歳」
「……え!?」
……そうか。そうじゃん。
榊先生って、そう言えば31歳だったっけ。
つまり、私の架空の彼氏と同い年ってわけで……
「……まさかと思うけど、みおの彼氏って」
あぁ、ほら!
蒼介くんにあらぬ誤解を生んでる!!