リペイントオレンジ🍊


「だれ?俺の知ってるやつ?……名前は?何歳!?」

「え!?そ、それは……秘密!」

「本当はいないんだろ?見栄を張るのはよくないぞ!」

「と、歳は……えっと、」

「31歳」



質問攻めにあった挙句、見栄を張るなと指摘され、慌てふためく私に、隣から榊先生の冷静な声が聞こえた。



「そう!31歳……!」



助け舟を出すタイミングの良さに感動しつつ、そのまま合わせて口にするけれど。


……なんで31歳?と、冷静になってからふと疑問に思う。



「……なんでさっきから、榊先生が知ってんの?みおに彼氏がいることとか、彼氏が何歳かとか……」

「さぁ?なんでだろうね?」


ニコニコと笑う榊先生に、蒼介くんは分かりやすくムッとしている。


あぁ、いらぬことに榊先生を巻き込んでしまったな。



「……ちなみにだけど。榊先生、何歳?」

「お?鋭いな、蒼介。先生、31歳」

「……え!?」


……そうか。そうじゃん。
榊先生って、そう言えば31歳だったっけ。


つまり、私の架空の彼氏と同い年ってわけで……


「……まさかと思うけど、みおの彼氏って」


あぁ、ほら!
蒼介くんにあらぬ誤解を生んでる!!
< 10 / 133 >

この作品をシェア

pagetop