リペイントオレンジ🍊


***

良く手入れされた庭のある、大きな落ち着いた雰囲気のお家。

慣れた手つきで玄関のドアを開けて、「ただいま〜」と、上機嫌の堀さんの後ろを続く。



「おっかえり〜!お先にお邪魔してたよ、堀さん」


そんな堀さんを出迎えたのは、堀さんの奥さんにしてはやけにハイテンションな声。


「……あ、」

「え……!?しんおんちゃん!?」

「海穂さん?なんで……」


その声の主に驚きながら堀さんへと視線をやれば、堀さんも私と海穂さんを交互に見て不思議そうに目をぱちくりさせる。


「なんだ、もう知り合いだったのか」

「尊のマンションでたまたま会って、ね?」

「海穂さん、そ、その事は……」


忘れて欲しい。

ましてや、堀さんの前で菅野さんのマンションに居たなんて……


「ほぉ、それは興味深いな。続きは食べながら聞こうかな」

「ちょうど良かった!私も聞きたいこと山ほどあるのよ〜♡入って入って〜!私の家じゃないけど!」


楽しそうな堀さんに、呑気な海穂さん。
……ってか、そもそも2人はどんな関係!?

色々と謎なまま、私は今さらの"お邪魔します"を口にして玄関に靴を揃えた。
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