リペイントオレンジ🍊


なのに、全然……酔えない。
なにこれ、こんなの初めてだ。


「嘘、私は尊の片思いなのかと思ってた!付き合ってることはキッパリ否定されちゃったけど、片思いなの?って茶化しても否定されなかったから……」


『うるせぇとは言われたけど』そう言って、思い出したようにブクッと頬を膨らませる海穂さん。


きっと否定しなかったのは菅野さんの優しさだ。少なくとも菅野さんは、私からの好意に気付いていたはずだから。


「……俺はこの先、尊を救えるは尾崎ちゃんしかいないと思ってるよ」

「私も、しんおんちゃんに尊の未来を賭けてる!」

「む、無理ですよ!!……私なんかじゃ到底。それに、もう気持ちは封印です。私の気持ちは、」



菅野さんにとって、迷惑なものだから。
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