リペイントオレンジ🍊
「ち、違うよ!まさか……私と榊先生が、ねぇ?」
アハハッと笑い飛ばす私に優しい目配せをしたあと、榊先生は蒼介くんにニッと悪い笑みを1つ浮かべた。
ちょ、……待って待った。
何言うつもりですか、榊先生!!
「それは……蒼介のご想像にお任せするよ。でも、あんまり尾崎先生いじめないようにな?」
「……なっ、」
「おい!みお!!目ぇ覚ませよ!見ただろ?今の悪魔みたいな笑顔!!笑ってんのに笑ってなかった……」
ククッと肩を震わせて去っていく榊先生は、蒼介くんで完全に遊んでいる。
だけど、蒼介くんへ与えた誤解は払拭されることなく。むしろ、”ご想像にお任せ”なんてある種の肯定だ。
ここはひとつ、私からきちんと……!
……いやでも、このままの方がいいのかな?
違うと否定したところで、蒼介くんからの”じゃあ、俺と付き合え!”攻撃が再開するのも困る。
「と、とにかく!大人をからかって遊ぶのは良くないよ?ほら、1時間目の準備済ませておいで」
ポンッと頭を数回撫でれば、”子ども扱いしやがって”と口を尖らせた蒼介くんは、大人しく教室へと戻っていく。
はぁ……、早く一人前になりたい。