リペイントオレンジ🍊
……それも含めて、やっぱり憎い男。
「尾崎先生は?」
「え?」
「え?じゃないよ!好きな男のタイプ!」
1人の世界に旅立っていた私を、木村先生が現実へと連れ戻す。
「あ〜……。えっと、好きなタイプは」
「尾崎ちゃんのタイプなら、俺も知りたいかな」
「はい!?私の時とは雲泥の差なんですけど?」
「……ハハッ、そうだっけ?」
木村先生のジト目を相変わらずサラッと受け流し、「で?どうなの?」と私に、視線を向けたのは榊先生。
正直、木村先生の質問攻撃は予想できたけど、まさか榊先生までこういう話題が好きだとは思ってもみなかった。
……好きな、タイプ。
そりゃもちろん、優しいに越したことはない。
あと話が面白くて自然と話が弾む人がいい。
それから、欲を言えば身長は高めで……
あと、笑った顔が胸に刺さる人なら尚いい。
だけど分かっている。
結局、恋というのはそう上手くいかなくて、理想をどんなに並べたところで、惚れてしまえば負けなのだ。
だから、私の答えは……。
「……す、好きになった人!ってことでお願いします!」