リペイントオレンジ🍊
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「というわけなので、尾崎先生は準備を進めてください。分からないことがあれば、都度、私や他の先生方に聞いてくださいね」
「はい……!」
”では、今日の会議はこれで”と教頭先生の一声で幕を閉じた職員会議。
気合十分に返事をしたのはいいけれど、内心かなり不安。
というのも、私の母校でもあるさくら私立双葉小学校に着任して早3ヶ月。
ここに来て初めて、学校全体の行事である避難訓練に向けての準備から当日の進行までを一人で任せてもらえたのだ。
え、まさかの避難訓練?……って感じだけど。
普段は、3年生の学級担任として忙しく過ごしている私は、いつも学年主任の榊 遥亮(さかき ようすけ)先生に助けていただいてばかりで、教師としては本当に未熟でダメダメ。
榊先生は、私よりも7つ年上の31歳。
教師としては中堅。
と言っても、学年主任を任されるほど出来る男で、いつも私のミスも涼しい顔でカバーしてくれる、仏のように優しい先生なのだ。
……私も、新米を理由にしちゃいられない!
避難訓練を絶対に成功させて、もっともっと、周りから頼ってもらえるようにならなきゃ。