リペイントオレンジ🍊


***




んん?……なに?誰か……呼んでる?


ぼんやりと誰かの声がする。


「……おん。おい、しんおん!!」


私をこんな呼び方するのは……菅野さん。



……え、菅野さん!?!?



「……っ、わ!!近っ」



慌てて目を開ければ、思いのほか近くに菅野さんの整った顔。慌てて距離を取りながら、自分がベッドの上にいることを理解する。


……え、待って。


なんでだっけ。
昨日どうしたんだっけ。


ってか、ここはどこ?なんで菅野さん……?



あー、頭痛い。



「飲み過ぎて見事に酔っ払った挙句、道案内もまともにしねぇで人の背中でぐーぐー寝やがって」

「……ああ!!」


思い出し……たくなかった。
どんどん顔が青ざめていく。


そうだ。
昨日、飲みすぎて自力で歩けなくなって……。
菅野さんの背中がふわふわ揺れる度に心地よくて、すごい眠くなっちゃって。

目を開けてられなくなって少し目を閉じるだけのつもりだったのに……私、あのまま寝ちゃったんだ。


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