リペイントオレンジ🍊
「……この度は、大変申し訳ございませんでした」
ベッドの上、正座で膝の前に手を揃え、深々と頭を下げる。
私をベッド脇に立って見下ろす菅野さんに内心半泣きだ。……にしても、やってしまった。
「あの、怒って」
「当たり前だ!」
「……ですよ、ね〜」
幸い、服はちゃんと着てる。
菅野さんの放つオーラから考えても、確実に昨夜は何もなかっただろう。それだけが、不幸中の幸いだ。
「何、確認してんだよ」
「えっ、いや……あの」
「泥酔した女に手ぇ出すほど困ってねぇ。そもそも、クソガキ相手じゃその気になんねぇから安心しろ」
───グサッ
ク、クソガキはあんまりじゃ……?
私だってこれでも成人してもうすぐ4年。
大人の色気に悩む年頃になってきたのに、悩むばかりで色気は全く手に入らない焦りを覚えているというのに。
「顔がうるせぇ」
「……ぐ、」
「さっさと家出る支度しろ。先に言っとくが、昨日俺の部屋に泊まったことは墓場まで持ってけ」
「べ、別に何もなかったんだし、墓場までなんて」
大袈裟な。
そう続けようとした私を、ギロりと貫く鋭い眼差し。