リペイントオレンジ🍊
「……俺、どうしたらいい?……怖くて、体が震えて、……みおのこと、守りたいのに、」
「蒼介くん、あんまり……喋ったらダメ。……煙を吸わないように、Tシャツの……袖口で口を覆って。繰り返し、ゆっくり呼吸をするの」
「……っ、」
きっと、地震のせいで、何らかの悪影響が及んだのだろう。あの音と、この熱風……
何かが爆発したことによる、火事かもしれない。
そう考えると……この状況はかなりまずい。
「蒼介くん。よく聞いて?……もしかしたら、この施設の至るところに、もう火が回ってるかもしれない。1人で、外へ出る道を探せる?」
「……で、できない!」
「……ここにいたら、きっとすぐに火が回る。入口までの道は、分かるよね?」
守る、なんて言いながら、結局一緒に逃げてあげることすら出来ないなんて。
情けない。悔しい。
無事に、蒼介くんが避難できることをここで、祈ってることしか出来ない。
「そんなの無理だ!!……それに、みおは」
「ごめん……蒼介くん、未熟な先生で……ごめんっ」
痛みで朦朧とする意識。
煙が、肺に入り込んでどんどん苦しくなっていく。