君だけとトベない~CA達の内緒な休息~



自分の気持ちを知れば知るほど、諦められなくなるなんてのは初めてだ。



美味しい餌がなくたって、人は人に惚れるって事。



知ってしまうと、俺がこれまで付き合ってきた女にしてきた仕打ちがいかに酷いものだったのか……。



昔を思い出しながら溜息を一つつくと、寝起きのままエレベーターに乗り込み、少しだけ緊張した指で社長室へのボタンを押す。



身だしなみ、よりも今はスピードのが大事だろう。



-トビラガヒラキマス-



無機質な機械の声と同時に視界に飛び込んできたのは……明らかに怒りの表情を湛えた社長の姿。



< 102 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop