君だけとトベない~CA達の内緒な休息~
「すみません、父が強引で……」
お茶を飲みながら、あくまでも控えめな女を見ても……俺にはお前もだろ?としか思えないまま。
「そんな簡単に決めていいんですか?俺がどんな男かも知らないのに」
二人きりだからいいだろう、とずっと気になっていた疑問をぶつける。
すると……
「私は……一度も人を好きになった事がないんです。たぶんこの先も」
「…………」
「それでも、人並みに誰かの温もりを感じていたい、そんな気持ちはあります」
「一目見て、龍太さんだったらいいかなって……直感ですけど」
少しだけ寂しげな表情を翳らせたかなえに、俺は何も言えなかった。
結局……こんな生き方をして来たって事は基本弱いんだろうな、女って生き物に。