君だけとトベない~CA達の内緒な休息~
「この後どうする?」
食事を終えて、時間は夜の8時。
「じゃあそろそろ帰りましょう」
そう、俺はかなえに手を出せない。
コイツが、部屋に来るCAだったら迷わずその体を堪能しただろう。
だけど、こんな気持ちは初めてで、手を出してしまったらそこで詩織と完全に決別しなくてはいけないような想いが溢れていた……。
どうして?……そんな顔をしているかなえを見ないフリして
「遅くなるとお父様が心配するから」
あくまでも大切だからそうなんだと強調して家へと送り届ける。
それが当たり前になればと願いながら豪邸へ背を向け、ビールでも買おうと会社近くのコンビニへ寄った俺に……
「あれ?」
若くて明るい声の男が、肩を叩いて呼び止めた。