君だけとトベない~CA達の内緒な休息~
本当は、一番に喜んで欲しかったのに。
この間の感触だったらきっと、頑張ったって笑顔を向けてくれると思っていたのに。
それは……単なる俺の思い上がりだったのか。
そうとしか言いようがない。
最後だから、諍いにならないように、話を合わせてくれたのか?
用意していた告白の言葉だけを俺の胸に残して……スケジュール表を確認し、また溜息をつく。
日本へ帰っている筈なのに……鳴らない玄関のベル。
今詩織が何処で何をしているのか。俺は、それを意外な相手から聞くことになる。