君だけとトベない~CA達の内緒な休息~
「そういえば、山内さん知らなかったみたいですね」
背中を向けた俺に再び話しかけてくる田丸。
無視するなんて……出来なかった。詩織の名前を出されて、黙っていられる訳が無い。
何だよ、詩織の知らなかった事って。
叫び出したい気持ちを抑えて、ゆっくりと振り返ると田丸は満足気ににやりと笑いかけた。
「気になりますか?」
「当然だ」
「いやね、僕もびっくりしたんですけど……」