君だけとトベない~CA達の内緒な休息~
人並みを逆行するように駆け抜ける。
……ったく、相変わらず厳しい言葉に苦笑いしながら。
社長の言った言葉。
「そこまで言うなら任せよう……但し、君が行った事で山内君が辞めるような事になったらその時には責任は取って貰うからな」
あれが性格なんだってのは薄々気付いているとは言え、何度目だか分からない交換条件とクビの危機を軽く宣告されて……
それなのに、不思議と怖くない。
ここで社長にも詩織にも出会えた事に感謝こそすれ、どんな状況になったって昔の自分と比べたら……全てが大切な時間なような、そんな気がする。
そんな事を考えながら走る事15分。
とうとう教えられた寮の前へと辿り着いた。