君だけとトベない~CA達の内緒な休息~
過去
4階建ての建物は、俺の住む寮と大した差はないように思える。
それもそうだろう。
月の半分も過ごす事の無い寝る為だけの部屋。
それでも一応オートロックの付けられているエントランスに立ち、部屋の番号を押そうとしたその時!!
奥のホールから人と人が争う声が響き渡った。
「喧嘩か?」
確かこのマンションのほとんどは、HMT航空の名義になっていた筈……。
って事は、あまり姿を見られるのは得策じゃないな。
一度玄関から離れると、脇にある綺麗に手入れのされた植え込みへと姿を隠す。
「これじゃオートロックの意味ねーし」
思わずそう呟きたくなるぐらいに、丸見えで乗り越えられそうな渡り廊下を見ていると……