君だけとトベない~CA達の内緒な休息~



「ここじゃ目立つから……部屋来る?」



願ってもない詩織からの誘いなのに、心躍ることも無く、黙って後に従う。



詩織にこんな顔させるなんて、一体アイツは何なんだよ……そんなモヤモヤで心は渦巻いて。



「悪かったな、勝手に来た上に、なんか口挟んじまったし」



物の少ない殺風景な部屋の片隅へと腰を下ろすと、ティーカップを二つ抱えて詩織も少し離れた場所へと座る。



これがきっと、今の俺と詩織との距離。



カップの紅茶だけが、俺が最初に持ったイメージと一緒で……そのまま飲み干した。



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