君だけとトベない~CA達の内緒な休息~
「それで……今日はどうしたの?」
元気の無い声で聞かれたのは……てっきりさっきのおばさんの事かと思ったら俺の事で。
「実は……例の話。心のケアに力を入れて会社を変えるって奴、うまく行ってるんだ」
「あ……」
一瞬、言葉が止まったのは俺の言った言葉を思い出したからなのだろう。
そんな、恥ずかしそうに見えたのも一瞬で
「おめでとう。良かったね」
そう言って窓の外を見つめる。
そうだよな。
詩織がさっきの件に触れてくれない以上、俺からもっと大切な本題に触れるしかない。
「田丸から聞いたんだって? 怒ってる?」