君だけとトベない~CA達の内緒な休息~
「そうじゃないけど、どうしたらいいのか分からなくて」
「だって、もし本当に龍太が結婚していたとしたら……私は一人だって生きていけるのに、なのに」
今度は急に泣きそうな顔になる詩織に俺はもう我慢が出来なくて
立ち上がって隣へ座ると、その頭を包み込むようにそっと抱き締めた。
「あの日、詩織に会わなかったら……俺は女なんてみんな一緒だって勘違いしてた」
「私は何も……」
「何言ってんの? あんな拒否られ方したの初めてだったんだけど」
くすっと笑って見せると、抵抗しないまま、腕の中で詩織も少しだけ笑う。