君だけとトベない~CA達の内緒な休息~
「俺じゃ……ダメ?」
いくら好きだからって、他の女と婚約までするようなバカな男じゃ……やっぱりダメか?
元来控えめで、口数の少ない詩織の口が開くのを待ちながら、思いつくままにひたすら言葉を紡ぐ。
少し黙って待つ、そんな余裕は残念ながら持ち合わせ無い。
どうせフラれるんだとしても、気持ちの全てを伝えておかないときっと後悔する。そんな気がするんだ。
そして
詩織は体を俺に預けたまま……一つ大きく息を吐くと
「あのね、さっきの事なんだけど」