君だけとトベない~CA達の内緒な休息~
仕切られた一室に案内され、腰を下ろすと
「事件の事は全く?」
「知りませんでした」
震える声で返事をする詩織の肩を抱く。今の俺にはそれしか出来無いから。
これから話されるであろう事の真相がどんなものであれ、受け止めない訳にはいかない。それが現実。
「そうかもしれませんね。新聞にも小さく載ったぐらいでしたし」
「いわゆる別れ話のもつれ……という奴です。お母さんは交際していた男に刺されましてね」
肝心の男は正当防衛を主張していて、まだ裁判が続いているんだと言う。