君だけとトベない~CA達の内緒な休息~



航空病院……なんですぐに思いつかなかったのか。



考えてみたら海外から飛行機で運ばれてきて、一番最寄ったらここしかねーのに。



逆に、向こうの病院ではなく既にここにいる……という事は思ったよりも容態がいいのかもしれない。



病院の一階にある、いかにもここで見舞いを買っていけと言わんばかりの花屋で小さな花束を買うと、看護師に病室を聞く。



「山内さんの知り合いの方?ひょっとして彼氏さん?」



「いえ……そんなんじゃ」



「良かったわ。身寄りが無いみたいだったから心配していたの」



その言葉で、うまくいっていないと言っていた家族が、入院までしても会いに来ていない事を知ってしまった。



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