12月24日の天使
愛と恋がバス停に着くと、すぐにバスが来て、降りるところまで新入生の話で盛り上がっていた。

「でも、私未来は今日来ないような気がするの。
なんでかなぁ?」

「愛……。
やっぱりまだひきずってんのかなぁ。
“未来”」

そうして話していると、バスは着き、そこからは徒歩だ。(ちなみに10分ぐらいで着く)

「ねぇ、未来の入学祝い……行かなきゃダメ?」

「愛……。」

恋は繋いでいる愛の手を強く握った。
(家出る時からずっと繋いでました)

それは、愛の不安定な感情を抑えるためで、愛には効果抜群だった。

「だって……入学祝いなんて、……親戚の集まりなんて未来を苦しめるだけだもん。」

「桐谷家にとっては、片方の目が見えない私達も邪魔な存在だしね。
所詮、桐谷の一族は外見しか必要じゃないし。」

今日は楽しい入学式のはずなのに、愛と恋はうかない顔をして校門を抜けた。

そして、生徒会室に行く途中に、石川先生に呼びとめられた。

「神木 愛さん、恋さん。
ちょっと相談したいんだけど……いいかな?」
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