12月24日の天使
愛と恋は無言で頷いた。
そして、三人は生徒会室へ行った。

「……よしっ。
誰もいない。
愛、先生、入ってもいいよ。」

恋は小さくガッツポーズをして、中に入っていく。
続いて愛と石川先生も入る。

「ねぇ、恋。
私コソコソする必要ないと思うんだけど」

「もぉ、愛は変なところで冷静になるんだから。」

「恋は大雑把すぎ。
もっと冷静になって。」

そんな二人の会話を聞いて、先生はくすくすと笑う。

「もぉ、先生まで……ひどっ。
いいもん、冷静じゃなくて。」

恋は頬をぷぅっと膨らます。
それを見て愛は軽く微笑み、

「いいじゃない。
恋はしっかりしてるんだから。」

と言うと、

「まっ、姉がしっかりしてたらいいんだけどさぁ。
私がしっかりしてないと、愛はおっちょこちょいだから。」

と愛をちらっとみて言った。

すると今度は愛が頬を膨らませ、

「おっちょこちょいじゃないもん。」

と言った。
場の空気が和んできた時、急に愛と恋は真剣な表情になり、先生に言う。

『相談とは未来のことですか。』
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