2月からの手紙

「お客様、困りますね」


拒む体力どころか気持ちまでもが眠気に負けてしまいそうになる中、斜め後ろから声がした。


「ああ? なんだてめえ」

「うちの店を犯罪行為に巻き込まないでいただきたい。こういうの、拡散しがちで迷惑なんで」

「なんだよそれ、関係ねーだろが」


さっきのお店のスタッフさんみたい。

OBさんを止めてくれてるようだ。


もしかして、私、助かるのかも……!


「有名大学ってだけでノコノコ酒飲みにやって来る女なんだから、ノリだよこんなん。合意合意。わかったらさっさと……」


あっ……!

OBさんが言い終わるか終わらないかのタイミングで、無抵抗な私の体がぐいっと引っ張られるのを感じた。
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