2月からの手紙
さっきの「付き合ってない宣言」を思い出して、また凹む。
私を後藤と呼んだ小鳥遊くんがその子を「ワカナ」と呼ぶのを想像してしまって、胸がぎゅっと締め付けられる。
「ごめん、めちゃめちゃトイレ行きたいんだった」
「あっそ」
私はその場にいたら泣いてしまいそうで、わざとらしくお腹を抱えてトイレに逃げ込んだ。
頭の中で小鳥遊くんが彼女の名前を呼ぶ声がこだまする。
妙にリアルで、甘い声。
聞きたくない聞きたくない聞きたくない!