2月からの手紙
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地理の先生と小鳥遊くんが教室に入っていった。

私は教室から一番近い階段の踊り場へと向かう。


ここなら、チャイムが聞こえてからでも鳴り終わる前に戻れるから。


暇つぶしに、たいして好きでもない脳トレアプリをタップして集中する。

こうしていれば、余計なことを考えなくて済む。


時々、目の前を誰かが通り過ぎる。

ふいに、私の前で立ち止まる人の気配を感じた。

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